INTERVIEW
COMADREのBass、STEVENに聞きました (2006/2/1 訳:宇宙)
はじめに、メンバー紹介をして下さい
Steven 以下S:ボーカルがJuan、ギターがJack と Kenny、ベースが Steven、Wesがドラムだよ。
バンド名ってどんな意味なの?バンド名を決めた経緯も教えて?
S:"Comadre"はスペイン語のスラングなんだけど、家族って思える位の凄く仲の良い友達の事なんだ。

あと、南米のある地域での話しなんだけど、女性が産業運動で他に仕事がなくて工場で強制労働させられていた時に、男にレイプされたり虐待されてたんだ。その時に女性達は一致団結してお互いを守ってたんだけど、その仲間を"Comadre"って呼んだんだ。

本当にバンド名を選ぶのは大変だった。もうライブしちゃってたし、1stフルアルバムをレコーディングし終わってたのに、まだ名前が決まってなかったからね。この名前は初めてみんなが良いねって思えた名前だったから、決めたんだ。
結成のいきさつを教えてくれる?
S:バンドは2004年3月に結成したんだけど、僕達は同じ土地で育ったからお互いのことは結構知ってたんだ。

ギターのJack と僕は兄弟でOne’s Own Ruinってバンドをやってたんだけど解散しちゃったんだ。あと、ボーカルの Juan とギターの Kennyも兄弟で、Heart Cross Loveってバンドをやってたんだけど、同じ時期に解散するって発表したから、僕がKennyに「Orchid meets the Wolvesな感じのバンドをやらない?」って電話をしたら、彼らも興味を持ってくれたから4人でジャムったのが始まりかな。僕が「Orchid」って言ったとたん、Kennyはノリノリだったよ。

で、僕の6年生の時からの友達のWesに電話をして「バンドに入らない?」って聞いて、彼がやりたいって事で全メンバーが決まったんだ。
メンバーが決まってからはどんな活動をしたの?
S:とにかく僕達はそれからすぐに練習を始めて、2004年10月に“Mess with the best, undress like the rest.”って曲が出来たんだ。

それからフルアルバムを自主制作して、機材車を買って、週末だけの短いツアーをするようになっていった。

2005年5月にColdbringer Recordingsから7インチをリリースして、全米をツアーで回る準備が出来た。そのフルアルバムと7インチはBlood Town Recordsっていう僕のレーベルからリリースされていて、2月から日本でも流通されるよ。

そして、僕らの2枚目のフルアルバムが僕達の友人、ENDZWECKのメンバーのやってるCosmicnoteから4月に発売されるよ。
COMADREの曲はシンガロングパートが多くてキャッチーで盛り上がるナンバーが多いけど、曲作りの時にシンガロングを多く取り入れることを意識して作ってるの?
S:まぁ、そうだね。
ライブで見てくれている人達に積極的に歌ってもらいたいと思うから、シンガロングパートは狙って入れてる。みんなが僕達のライブに参加してくれるとより楽しいし。

あと、バンドのライブを見るって事は、お金を払って映画館に行ってスクリーンをじっと眺めてるのと同じじゃいけないと思うんだ。だから僕達は見てくれてる人が払ったお金に見合うライブをしなければって思う。
曲作りの際に意識している事があったら教えてくれる?
S:曲作りで意識している点は…、

曲がつまらなくならないように、楽しくて盛り上がれる曲作りをするってことかな。

自分達に限界を作って、全てが今までの繰り返しになってしまうのはイヤなんだ。パンクやハードコア以外からインスピレーションを得て何か新しい事、違う事をするのも好きだよ。自分達の限界に挑戦するのが好きだね。
どんなバンドに影響を受けたのかな?
S:パンクやハードコアで言えば、一番影響を受けたのは多分Refused、ConvergeとBad Religionかな。

でもみんな本当に色々な音楽を聴くんだ。ジャズ、ブルース、ヒップホップ、クラシックはもちろん、インストの映画音楽だって聴くよ。

個人的なお気に入りはCharles Mingus, Johnny Cash, Led Zeppelin, Fleetwood Mac, Green Day, Jimmy Eat Worldとか…。挙げたらきりがないや。
刺激を受けているバンド、共感できるバンドはいる?
S:個人的にチェックしてるバンドは友達のバンドになるけど、Graf Orlock, Funeral Diner, Walken, Countdown To Life, End On End, Burial Year, Bullets*In, Endzweck,とかかな。
でも多分いくつか忘れちゃってるかも。
音楽以外に興味を持っていることを教えて?
S:それぞれ音楽中心の生活をしてるのは確かだね。みんな働いてるけど、それはバンドを続ける為って感じかな。

あと、僕達はみんな学校に通ってて、ボーカルのJuanが文学、ギターのJackがアート、ベースの僕は数学を専攻してる。ドラムのWesとギターのKennyはまだ何を専攻するのか決めてないみたい。

だけど、ほとんどは一緒にバカ話したりして遊んで良い時間を過ごしてるよ。
主に活動してるのは西海岸だと思うんだけど、西海岸はどんな所なの?
S:西海岸は素晴らしいよ。
2週間の西海岸ツアーをちょうど1月に終えたところなんだけど、今までで一番素晴らしいツアーだった。西海岸には上から下までたくさんの友達がいるんだ。

僕達はサンフランシスコのベイエリア、もっと詳しく言うとペニンシュラに住んでる。今までアメリカのほとんどをツアーして、素晴らしい場所にたくさん行ったし、素晴らしい人にもたくさん会ってきたけど、ペニンシュラは本当に大好きなところだよ。

色んな音楽シーンがベイエリアにはあるんだけど、良いものも悪いものもあるかな。とにかく自分達の音楽がクリエイティブであり続けるように努力しているし、全国から来るツアーバンドのライブを企画したりして(“Songs About the Man”ってEPは、ほとんどがこのテーマだよ) 、ベイエリアに何か新しいものを持ち込めるように頑張ってる。僕達のシーンに興味を持ってくれた人は誰でも大歓迎!ベイエリアはこの手の音楽にとって素晴らしい環境だって言えると思う。シーンに関わる人はみんな凄くオープンだし、凄く理解のある人達だからね。
音楽やライブを通して、何かリスナーに伝えたいことってあるのかな?
S:歌詞の中で、いろいろな問題について臆することなく自分達のアイディアを綴っているものはあるけど、ライブではあまり説教じみたことはしたくないんだ。歌詞を読んでもらえば、いくつかのテーマが明確に述べられているけど、誰かにそれを押し付けようって気持ちはない。何を歌っているのか知りたい人は、歌詞を見ればすぐにわかるはずだよ。
ENDZWECKとのUSツアーはどうだった?
S:言葉が違うからいろいろ大変だろうなぁって思ってたんだけど、彼らが到着してちょっと一緒に過ごしてみると、すぐにお互い共有しているものは同じなんだって気付いて驚きだった。
その共有してるものがコミュニケーションを簡単にしてくれたんだ。言葉は違うかもしれないけど、心臓は同じように脈打ってる。彼らとは本当に仲良くなれたし、日本で再会するのが待ち遠しいよ。
ツアーで何か面白い話はあった?
S:面白かったエピソードといえば・・

・ ツアー中、チーズバーガーが有名な西海岸のレストランに行った時のこと。隠しメニューがあって、好きなだけハンバーガーパテとチーズを増やす事が出来るって教えてあげたら、ENDZWECKと一緒に来ていたTomoが10枚のパテと10枚のチーズのチーズバーガーをオーダーしてたんだ。まるで僕の頭と同じくらいの大きさだったんだけど、彼は食べ終わってから1時間はトイレから出てこなかったよ(笑)。

・ あるライブの後に、僕達の住む町が一望できる夜景の綺麗な丘にENDZWECKのみんなを連れて行ったんだ。彼はライブの時から酒瓶片手にずっと酒をちびちび飲み続けてたんだけど、その丘で裸になってそこらじゅうを転がりまくってたよ。ENDZWECKのツアーDVDをよーく見てみたらその時のシーンが発見できると思うよ。

・ ENDZWECKが持ってきたツアー用のCDが2日目で売り切れてしまったんだ。だから何回か朝5時までCDRを焼き続けたし、ジャケットをコピーする為に、全てのライブ前にキンコーズで止まらなきゃいけなかった。

・ 明らかにYoshiは日本で最も大きいCHINKOを持ってる。そしてSTEVENはアメリカで最も大きいCHINKOを持ってる。でもどっちの方が大きいかは確認できなかった(笑)。
4月に日本に来るわけだけど、日本に対してはどのような印象があるのかな?
S:Cosmicnoteから出ているDVDを見たり、日本のバンドをいくつか聴いてるんだけど、基本的に日本のハードコアシーンは僕達のシーンに似ているけど、より多くのエネルギーと感謝があるように思う。でも、世界の反対側のことだから僕達にはどう予測していいのかちょっと分からないかな。とにかく日本に行くのがとても楽しみだよ。
日本で好きなバンドっている?
S:メンバーの何人かはまだアメリカから出たことがないし、異文化に触れられる事が凄い楽しみだよ。日本のキッズ達の前でライブするのも待ちきれない。ENDZWECKと一緒に楽しみたいと思ってるよ。初めてのUSツアーで僕達はアメリカの反対s側でライブ出来てすごいねって思ってたんだけど、今回は世界の反対側でライブができるんだ!
日本ツアーはどんな事が楽しみなのかな?
音源としては何にもないんだけど、昔から見てた人は知ってるかな。長いbassから始まるaftershockバリバリpickingのheavy break down mosh songさ!
cosmicnoteから発売されるアルバムの仕上がりはどう?
S:ニューアルバムの出来には本当に満足してるよ。
今回アルバムでは凄くいろんなスタイルを取り込んだんだ。例えば、今までで一番ダンサブルな曲もあるし、今までで一番ヘヴィな曲もある。今までのリリースとはまた違った感じに仕上がってて、曲によっては今までとまったく違う曲に聴こえるのもあるかもしれないけど、全て僕らの音楽性の延長線上にあるものだと思う。同じメンバーが同じハートで作った曲だって事が一番大事なんだ。
バンドとしての目標を教えてくれる?
S:一番の目標は、できるだけ長い間このバンドをして、このバンドでプレーすることでできるだけ多くの世界を見ることだよ。そして一番大事なことは、自分達のしていることを信じて、いつもハッピーでいる事かな。
今後の予定を教えてくれる?
S:ニューアルバム『Burn Your Bones』が日本とアメリカでリリースされる。

あと、ENDZWECKのアメリカツアー初日のComadre, Endzweck, End On End, Burial Yearが出演したライブのDVDをアメリカでリリースするよ。日本ツアーの時に持っていく予定だからチェックして欲しいな。

もちろん4月には日本ツアーがあるし、6月中旬から7月までLevel Plane RecordsのGraf Orlockとアメリカツアーする計画も立ててるんだ。その時にGraf Orlockとのスプリット7インチも出す予定だよ。
最後に何かメッセージを下さい
S:とても光栄な事だと思ってるよ。
個人的にもバンドとしても、アルバムを日本で出してライブをするなんて、今まで生きてきた中で一番有り得ないくらい素晴らしい事だよ。(さっきも言ったように、メンバーの何人かはアメリカから出た事すらないので興奮!)。

僕らのCDを買ってくれる人、個人的に会った事も、ライブを見たこともないにも関わらずライブをする機会を作ってくれたみんなに本当に感謝しているよ。日本にいけることをとても嬉しく思うし、僕達のライブを楽しんでもらえると嬉しい。

最後に、宇宙とENDZWECKのみんな、ツアーを実現してくれてありがとう。この美しい友情に心から感謝してる。